深刻化する「ネット依存」

マサノリ元気通信 号外版                社会問題PART

深刻化する「ネット依存」

―利便性と依存度合いの増す中で、今何が起きているのか―

○ねえ、マサノリさん・・・

「インターネットって今じゃ無いと困るけど・・

・・でも、子供を持つ親には少し心配だわ!?」

「今、ネットを取り巻く環境ってどうなの?」

「色んな犯罪や事件もネットから起きてるよね!」

とどまることを知らないインターネットの進化。

しかし、その陰で明らかに時代の「歪」が生ま

れていることも事実のようです。私も子育て世代

の一人。気にならないわけではありません。

――――――――――――――――――――――――――――――――――― 

「日本人のネット利用率は78.2%」(2010年末現在)

総務省の「通信利用動向調査」によりますと、日本人のネット利用率は78.2%。しかし、20歳代に限定した場合97.4%で、ネットを使わない若者はよほどの変わり者ということになりそうです。ちなみに、16歳から29歳までの方々にとって「なくてはならないメディア」の第1位はネットで、2位がテレビ、3位は新聞なのだそうです。白黒テレビが普及した1950年代の後半、社会評論家の大宅壮一氏は、当時テレビが人間の思考力を奪うことへの皮肉を込めて「1億総白痴時代」と評しました。これは、低俗化していくテレビの「負」の面を浮き彫りにした名言だったようです。しかし今、そのテレビをはるかにしのぐ「功罪」を含むインターネットが若者を夢中にさせています。まさかこんな時代が来るなんてことを、大宅氏でもきっと予想は出来なかったでしょう。

「情報を自由にやり取りできるその陰で・・・」

とにかくインターネットの最大の利点は、情報を自由にそして手軽にやり取りできることでしょう。一方で、児童ポルノや違法薬物の売買に利用されたり、韓国に見られるように、必要以上の誹謗中傷で自殺に追い込むなど、その実態は完全に「無法地帯化」していると言っても過言ではないでしょう。そして、さらに深刻なのは「若者のネット依存化」です。ひきこもりや睡眠障害などで、生活破綻者となるケースが続出しており、世界中で問題化されています。

「ネット依存者・・・271万人!」

久里浜医療センターのインターネット依存治療研究部門が4年前に行った調査によれば、全国でネット依存と疑われる人が、なんと271万人いるとの指摘がされています。これだけでも日本人の数十人に一人の計算なのに、この271万人の中には未成年者は含まれていないというのです。未成年者を含めば、この271万人を簡単に上回ることは火を見るより明らかでしょう。しかも、調査は4年前。日本で本格的にスマートフォンが普及し出す前のことですから、今はさらに激増している可能性が高いのです。

手のひらにのせた小さな画面を指で撫でるように操る姿は誠に「スマート」ですが、時にテレビ以上に人間を思考停止にすると言われるインターネットは、今後我々の生活や文化をどのように変えていくのでしょうか。

「生活破綻者を出さないためにも」

昨今、比較的若い世代の「生活保護受給者が急増」していることは、以前指摘をさせて頂いた通りです。不幸にも学生時代に不登校や引きこもりを経験し、自信を持てない若者が思い切って社会に出られないケースも多くあるようです。彼らの自己実現の場が唯一ネットの世界であり、唯一自分と向き合える場なのかもしれません。だからこそインターネットの「功」の部分の活用をもっと社会全体で考えていく必要があるのではないでしょうか。

「保護者にとって夏休みは絶好の機会!」

底知れぬ不気味さばかりを指摘しましたが、今では学校でもインターネットを活用した授業があるぐらい、ネットの活用は時代になくてはならないアイテムであり、決して悪い事ばかりではないことも事実です。一方、子供たちにとってはもうすぐ楽しい夏休み。時間の余裕ができる夏休みに「ネットにはまる」子供も多いため、われわれ保護者は十分な注意が必要です。子供をネット依存化させないためにも、本を読むことの楽しさを伝えたり、海や山など自然の中で遊ぶことの楽しさを体験させるなどは、子育て世代の責任のようです。

コメントを残す

トラックバックURL:
http://www.fujiwaramasanori.com/wp-trackback.php?p=521